ステイルメイト

青年マンガ

【ステイルメイト】ネタバレ&あらすじ!ヤングガンガン読み切り漫画!

投稿日:

ステイルメイトはヤングガンガン21号の読み切り作品です。

巨大な塔に住む少女のお話。

作者のあきま先生は普段イラストレーターとして活動しているようです。

 

 

【ステイルメイト】のネタバレ&あらすじ

 

塔の住人・レイミ

町には、大昔から大きな塔が聳え立っており、今もなお建設が続いていた。
町のほとんどの大人が塔に関係する仕事に就いていたが、
その塔がなんのために建てられているのかを知る者はなかった。

学校での成績や評価が、将来、塔での仕事の内容に直結する。
塔は住人の生活基盤であった。

 

塔内の居住区域に暮らすショートカットの少女・レイミは、
母に不真面目な授業態度を咎められたが、まるで聞く耳を持たなかった。

レイミは授業中も絵を描くほどに絵に熱心で、将来、絵描きになることを既に決めていたのだ。
母の説教から逃れ、自室に戻ったレイミは絵筆をめいっぱいに動かし、何枚も何枚も絵を描いた。

レイミが描かくのは人工的な街並みだ。
そのうち、絵を下敷きに、いつのまにかレイミは眠った。

 

 

出会いと約束

6年前。
塔の最上階近くで、塔の建設現場の社会科見学が行われていた。

 

「みなさんもしっかり勉強して 塔のために働く立派な人間を目指しましょうね」

 

揃いの帽子と制服姿の子どもたちに向け、ガイドが言う。
幼年のレイミは、塔の最上階付近ということもあって空の近さに目を向けているうち、
いつのまにか学校の皆とはぐれてしまっていた。

広大な塔の内部をさまよい歩くうちに疲弊し、雨が降り出したので雨宿りがてら、壁に凭れて蹲る。
そんな一人ぼっちのレイミの前に現れたのは、一匹の猫クーと、

その飼い主である眼鏡を掛けた女性・ツカサだった。

ツカサは迷子のレイミを保護し、自分の家に連れ帰った。

ツカサの家は壁の至る所に大小様々な絵画が飾られていた。

すべてツカサの親や先祖が描いたものであり、ツカサ自身も画家であるという。
見たこともない様な絵の数々に見惚れるレイミ。

元々絵が好きだったレイミは、鞄からノートを取り出し、自分の描いた絵をツカサに見せる。
ツカサはレイミの絵を素敵と褒め、レイミの持つノートに自らもさらさらと絵を描き込んだ。

 

「今日の記念ね!」

 

ツカサがレイミのノートに描いたのは、レイミの似顔絵であった。
ツカサから貰った絵を喜んだレイミは、また遊びに来ていいかと無邪気に訊ね、ツカサも快く応じた。

 

「また絵を見たくなったら来るといいわ!」

 

満面の笑顔で「うん!」とレイミは答えた。

 

 

爆破予告

大きな物音がして、レイミは夢から醒めた。
爆発音。

部屋がびりびりと振動し、その揺れもまだ収まらないうちに、立て続けに突き上げるような衝撃が建物を襲った。
母に連れられ、部屋を出るレイミ。

部屋の外は、塔の外に避難を始めた居住区域の住人で溢れていた。

一体何が起きたのか―――

困惑の中、突如、「塔内の市民のみなさん」とアナウンスが周辺に響き渡る。
設置されているモニターに映し出されたのは、覆面姿の人物だった。

覆面の人物は、塔の住人を不安にさせたことを詫びながら、今の爆発は警告であると言う。

 

「今から24時間後 塔を完全に爆破します」
「死にたくなければ今すぐ塔の外に逃げてください」
「塔の歴史は終わるのです…」

 

時間は十分にあります、落ち着いて逃げてください。
塔を爆破しようとしている犯罪者にしては、不気味なほど丁寧なアナウンスだった。

レイミはその声を聴いたとき、すぐさま直感していた。
母に先に塔の外に出るように伝えると、レイミは塔の内部へ逆走し始めた。

――レイミはツカサに会わなければならなかったのだ。

 

巡回していた警備員に捕まりそうになりながらも何とか逃れ、
レイミは階段を伝ってどんどんと塔の上部へ上がっていった。

しかし次第に体力も尽き、道半ばに座り込む。
暫し動けずにいたところで、レイミは猫の鳴き声を聞いた。

以前会ったときよりも少し太った、ツカサの飼い猫、クーが姿を現したのだ。
「ついてこい」と言わんばかりに走り出したクーを追って、レイミは見知らぬ道を進んだ。

クーに導かれてレイミが辿り着いたのは塔の頂上だった。

 

塔の頂上にはツカサがいた。
ツカサはカンバスに向かい、絵を描いていた。

 

昔たった一度会ったきりの相手との再会であったが、ツカサはレイミのことを忘れていなかった。

もう会えなくなるかもしれないと思い、ツカサに会いに来たというレイミに、
ツカサはこの塔が一体何なのか、その経緯について語り始めた。

 

 

塔の真実

ツカサ曰く―――
塔は、自重による崩壊で、いつ崩れてもおかしくない状態なのだという。

 

塔の建設はおよそ500年前に始まった。
戦争で田畑を失った農民に、仕事を与えるための公共事業として始まったとされているが、
いつしか理由は失われ、塔の建設自体が目的にすり替わっていった。

 

ツカサの家系は代々記録画家として塔を治める王に仕えた、画家の一族だった。
王が失脚した後、塔の民が委員会を組織し、自ら建設を管理するようになってからもツカサの祖先は画業と記録を続けていた。

塔内の人口は年々増加し、あらゆる商売が塔の内側で行われるようになった。
肥大化した塔の全容を、誰も把握できなくなっていったという。

 

何故塔のために働かなくてはいけないのか。
大人が常識の如く語ることを、レイミはずっと疑問に思っていた。

レイミの疑問に対し、ツカサは言う。
誰も答えを知らないのだと。

人々は永遠に塔が建設を続けられると信じ、ツカサの祖父や父が塔の限界を訴えても耳を貸そうとはしなかった。
塔がいずれ崩壊するという現実から彼らは目を背けたのだ。

ツカサの家系は、ツカサを最後に絶えるだろう。しかし、塔の崩壊は目前にまで迫っている。時間がなかった。
ツカサは、塔を爆破することに決めた。

モニターに映し出された覆面の人物。爆破予告を行いながら塔の民を気遣ったアナウンス。
レイミが一声聞いて気付いた通りに、あれはツカサであったのだ。

 

 

塔の最期

ツカサは塔の住人を逃がそうとした。しかし、レイミはツカサに会う為に戻って来てしまった。
レイミがいる以上、塔を爆破することはできない。

結局失敗してしまったと呟くツカサに、全ての事情を知ったレイミは、もう一度ちゃんと説明したら皆はきっと聞いてくれると話す。
ツカサは皆を塔の崩壊から救う為に命をかけたのだから。

そうして決着がついたら、ツカサに絵を教えて欲しいと微笑むレイミ。
私は先生には向いていないわと淡い笑みを浮かべるツカサ。

 

そんな二人の頭上から、突然突風が吹く。
大きなプロペラ音。航空機が迫ってきていた。

塔を爆破しようとしているツカサを「容疑者」として、捕えに来た者たちだった。
懐から起爆装置を取り出すツカサ。

この起爆装置は自分の心臓とリンクしていると言い、隊員たちにこの場から立ち去るよう脅しをかける。

レイミはツカサから飼い猫を託された後、保護の名目で隊員に確保され、ツカサから引き離された。
なんでと訴えるレイミに、ツカサは眼鏡を外して微笑んだ。

 

「ごめんねレイミちゃん せっかく来てくれたのに …でも最初から決めていたの」

 

レイミを乗せ、塔から遠ざかる航空機。
ツカサは自らが描き上げた最後の絵を駄作と呼び、最後まで静かな面持ちで、起爆装置のスイッチを押した。

 

爆破に巻き込まれ崩れ落ちていく塔を、レイミは上空から見下ろし、目尻に涙を浮かべた。
たった一人屋上に残ったツカサと共に、塔は完全に崩壊した。

 

 

そして歴史は……

5年後。
レイミは、駅に降り立った。

5年の月日の間に髪型がセミロングになり、身長も幾らか伸びている。

寄る所があるから家には夜に帰ると母親に連絡を入れてから、
レイミは飼い猫と共にとあるビルの階段を上がり、屋上へと辿り着いた。

 

スケッチブックと鉛筆を取り出し、レイミは片目を瞑って「ただいま」と眼前の景色に笑いかけた。
今からレイミは絵を描く。

かつての彼女の画業を継ぐかのように。

一度ゼロに還った盤面に、新たな塔が生まれようとしていた。

 

 

終わり

 

 

-青年マンガ
-, , ,

Copyright© ニクノガンマ , 2019 All Rights Reserved.