前回(68話)のあらすじは・・・
ホテル王・鷲爪にさらわれた母を取り戻すため、
パンバトルに挑む聖樹。台湾の世界チャンピオン陳との
第6回戦が始まる! 果たして…!?
聖樹のパン 第69話 ネタバレ&あらすじ
第69話 サブラージュ
「皆さま本日は卒園おめでとうございます!
小樽ベーカリーペンション雪の森へようこそおいで下さいました」
卒園式の終わったばかりの園児たちとその母親たちが雪の森に続々と入ってくる。
「私たちからビッグプレゼントです
本日台湾から世界ブーランジェリー選手権のチャンピオン
陳英峰(チェンインフェン)シェフが来て下さいました!」
陳シェフとほしのシェフ、2種類のブドウパンを食べてもらい、
美味しいと思った方に投票してもらう。
「陳シェフのブドウパン焼き上がりましたっ―—!」
口の中いっぱいにはじけるブドウ!あふれる果汁!!
軟らかい生地がふっくら優しく果実を受け止めて……
まるでブドウの楽園に来たみたい
「おいしいいっっっ!!!」
大絶賛だった。
もう陳シェフの勝ちは確定したような空気が流れる。
差
「ほしのシェフのブドウパンも焼き上がりました!」
中は陳シェフのに比べてブドウが少なく見えた。
「さぁどうぞ皆さん先に味見してみて下さい」
こ…これは
なんという口どけだ!!
粉・バター・酵母・ミルク
そしてブドウ
調和するそれぞれの個性
まるで
美しいメロディーにのせた軽快なバンドサウンド
おしゃれで新しくて 最高に楽しい
まるで
あの伝説のリバプールのロックバンドのようだ!
「はーいほしのシェフのブドウパンが焼き上がりましたよー」
新しいパンに子供たちが群がる。
!!
子供たちの皿の上に陳シェフのブドウパンの耳が!!
しまった!!!
陳シェフは青ざめる。
それに対比して、ほしのシェフの作ったブドウパンは次々と完食されていく。
「聖樹さん 一体どうやって作ったんですか?
こんな耳まで軟らかくておいしいパン」
「サブラージュという方法を使ったんですよ」
サブラージュ!?
サブラージュ
小麦粉にはグルテニンとグルアジンという2種類のタンパク質が含まれている。
これに水と力を加えると混ざり合ってグルテンができる。
サブラージュとは、タルト生地を作る時のように小麦粉とバターをすり合わせて、
砂のようにサラサラにして作る製法。
サブラージュした粉は、バターが付着しているので水と力を加えても滑ってしまい、グルテンが形成されにくい。
なので、もろい食感のサックリした生地が出来上がる。
今回のお客さんは幼稚園のお子さん達がメインだったので、
食パンの耳を食べずに残すことがままある子供にも、耳までしっかり食べて欲しかった。
出来上がりのパンの耳が薄く仕上がるように歯切れの良い口どけの軽いパンを演出した。
「具材を若干少なめにしたのは具材は多いほど
お客さんは喜ばれるのですが
パン屋としては生地も味わって欲しい
ですので
「ブドウのパン」ではなくて
生地とブドウが一体化した
「ブドウパン」をコンセプトに作りました」
結果
「さぁアンケートの結果が出ましたよ」
陳 3
聖樹 56
圧勝だった。
「ブラボ!!精彩!」
「聖樹さんあなたすごいね!!
子供の気持ちを徹底的に考えて作ったブドウパン!
すごいお見事です!」
陳が聖樹に握手を求める。
「嬉しいです!私完敗!!ありがとう」
陳に頭を撫でられまくる聖樹。
その頃テラスの外では、
陳シェフのアシスタントだった宮本竹蔵が星を眺めていた。
「やっぱすげえや聖樹さんは
父ちゃん母ちゃん!!
俺ははっきりわかったぜ! 自分がどんなパン職人になりたいのか
俺はすげー人に出会った!
あの人の下で修業するぜ―――――!!」
聖樹のパン 第70話 ネタバレ&あらすじ
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