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【くちうつす】16話のネタバレ&最新話!編集者、渡辺さん。KISS連載中!
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「くちうつす」最終話ネタバレ!
口述筆記をやめるということ
「口述筆記はやめます」
由夏の言葉に長谷川は固まった。
「…なんで」
由夏は、今の自分の気持ちを話した。
長谷川との口述筆記はとても楽しかった事。
感謝しているという事。
直接、触れたいと思ってしまった事。
触れたいのに触れられない劣情の中で描くのはダメだと思った事。
ただまっすぐに、物語と向き合う時間が必要だと思っている事。
それらを全て伝えられたかは分からない。
父と息子
「おーい!蕎麦食ってけ!」
谷村が顔を出した。
「…直人!?」
蕎麦屋で向かい合う長谷川と谷村。
由夏は先に旅館へと帰ってしまった。
「…しかし……でっかくなりやがったな!!」
谷村は嬉しそうに直人の頭をグシャグシャとした。
「子供扱いすんなって!」
「…悪かったな。殴っていいぞ。」
「殴んねーよ。あん時俺も言いすぎたし。また書いてんだろ?渡辺さんには会わねーの?」
「会う理由がねーからな。まだあんなつまんないモン見せれねー。俺は彼女の前では、男ではなく作家でいたいんだな。いい一行書いて、認めさせたい」
13年会ってなかった父と息子。
落ち着いた空気が穏やかに流れた。
別れ
東京に戻った駅で、由夏は安藤と待ち合わせていた。
1つの決意を胸に。
安藤が来た。
由夏は、おもむろに切り出した。
「口述筆記は、やめます。でも…ごめんなさい。長谷川先生を好きな気持ちに、気付きました。安藤さんと付き合う事は、もう出来ません」
安藤は、苦笑いした。
「…何となく、分かってたけどね。リアルでも負けたかー」
由夏を引き寄せ、胸に抱いた。
「俺、かなり本気だったよ」
由夏の目に、涙が溢れた。
私を変えてくれた人。
色んな感情を教えてくれた。
安藤は、由夏を離すと、笑って言った。
「俺は、ずっとリアル主義だから。思った事は言うし行動に出す。好きな人には触れたいし優しくしたい。次に好きになった人にもそうするよ。…バイバイ。」
ごめんなさい。さよなら。
由夏のケータイが鳴った。
長谷川からだ。
あの家は、取り壊しが決まったらしい。
2人で口述筆記をしていた空間がなくなることに、由夏は寂しさを感じた。
そして、長谷川は父親と会えてよかった、と伝えた。
「俺は、あなたとの口述筆記がとても心地よかったです。あなたの口から次にどんな言葉が出るか、キーボードに置いた指が震えるほど。どんな形であれ、『愛のカタチ』は青木さんが描いたものですよ。俺は、あなたの小説の最初の読者でもあったんです。あなたの文章が好きでした。次回作、楽しみにしてます。頑張って下さい。」
由夏の目から涙が零れた。
描きたい。
誰かの
自分の
胸に響く物語を。
作家、谷村久
3年後。
第41回今村文芸賞受賞式。
「谷村先生、受賞された今のお気持ちをお聞かせ下さい。」
壇上には作家、谷村がいた。
渡辺編集長が谷村に挨拶に来た。
受賞のお祝いと、二作目の契約…そして、17年の間積もった話は、尽きない。
パーティーには、以前由夏の担当をしていた編集者も来ていた。
「青木さん、来てないのね」
「口述筆記をやめてから、僕も会ってなくて。以前のような純愛モノに路線を戻したって聞いたんですけどね。大丈夫なのかな。」
後ろから渡辺編集長が声をかけた。
「彼女の発表した小説、前とは明らかに変わったわ。純愛モノだけど、深みがあって…。この3年の間、何かがあったんでしょうね。…彼女はここからよ。」
3年後の2人
由夏は、何もなくなって更地になった長谷川の家の前に立っていた。
今まで、怖くて来れなかった場所。
やっと来れた…。
この3年を振り返る。
色んな出版社に持ち込んではボツになった数々の作品。
表現や構成に迷い悩んだ日々。
ひたすら、「描くこと」と向き合った3年。
この場所に今まで来れなかったのは、後悔するんじゃないかと不安だったから。
口述筆記をやめたこと。
長谷川先生と離れたこと。
後悔するかもしれないと思ってた。
でも…不思議と落ち着いている自分がいた。
それはたぶん、この3年で、長谷川先生への想いは色褪せる事はなかったから。
むしろ、描く情景の向こうには、いつも長谷川先生がいた。
長谷川先生に、読んでもらいたい…!
今更、迷惑かもしれないけど…
その時。
「青木…さん!?」
「長谷川先生…!?」
3年ぶりの再会。
「小説、読みました…。なんだか居てもたってもいられなくて、とにかくここに来てしまって。会えるとは、思わなかった。」
長谷川はまっすぐに由夏を見つめた。
「…ずっと、あなたに直接触れたい衝動を抑えていました。俺もあなたに恋してたんです。」
由夏は、長谷川の胸に顔を埋めた。
「…私も、恋してます」
「3年も待たせないで下さいよ。」
長谷川は由夏を抱きしめた。
「ページをめくる手が震えて…綴られた文章の全てが、あなたが囁いているような感覚でした…」
熱っぽい目で見つめる。
2人の唇が重なった。
触れたこの唇から
これからもずっと
あなたを焦がす文章を綴りたい
〜end〜
天沢アキ先生の次回作は?
まだ未定です。
次回作にも期待ですね!
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