前回(34話)のあらすじは・・・
妹バカの小説家・羽鳥伊月の周囲には、残念系美少女作家・可児那由多、ザ青春女子大生
・白川京ら個性的な面々が集まり、賑やかな日々を繰り広げている——!!
アニメ化につづき、伊月の小説「妹のすべて」のコミカライズが決定。
妹愛にあふれる女子大生・三国山蚕が作画に決まり順風満帆‥と思いきや!?
妹さえいればいい。@comic 第35話 ネタバレ&あらすじ
趣味傾向
三国山さんから第一話のネームが上がってきたと土岐が持ってきた。
ネームとは、
「マンガの設計図」のようなもので、
原作者のチェックは大抵この状態で行う。
「おお‥おお‥!さすがだ‥」
『妹すべ』コミカライズに伊月はご満悦だった。
一巻の見せ場‥シャワー中の一華に一真が血を与えるシーンに期待を募らせる伊月。
「蚕さんなら素晴らしいものに仕上げてくれるに違いな・・」
はああああああ~~~~~~~!?
伊月の叫びが住宅街に響き渡る。
「ふ、ふ、ふ、ふざけるなああああ!!」
「落ち着け伊月!」
「落ち着けるか!貴様はこれを見たのか!」
「この一華はな‥
し‥『下着』をつけてるんだぞ!」
土岐もネームを見て驚いていた。
先ほどから厳しい顔をしていたのはそのためだった。
どうやら三国山先生は
大の下着フェチ‥らしい。
下着を描きたくてたまらず、全裸のシーンでもつい下着を描いてしまったという。
すぐに修正してもらいたいところだが、
彼女は下着を描きたすぎてマンガ家を目指したような人間だった。
禁止すれば降りることになるかもしれない。
とりあえず蚕さんと話をさせてもらうことにした。
下着vs全裸
翌日
伊月と蚕は向き合って座っていた。
「あー‥蚕さん。」
「は、はい‥」
「どうして一華が全裸ではないのか、説明してもらおうか。」
下着が好きだから描いた。そう返ってくる。
可愛い妹に下着をつけたい蚕と、
全裸こそが一番美しいと語る伊月。
平行線だった。
バチバチに下着と全裸について言い合う2人。
編集者の2人がなだめようにも、平行線の2人の意見は交わらない。
ピンポーン
「うぃーっす、センセー。」
イラストレーターの恵那刹那 P.N.:ぷりけつ
が家を訪ねてきた。
取り込み中だと伝えると帰っていく刹那。
「あっ待ってくださいぷりけつ先生!」
土岐が引き留めた。
「‥『SILLIES』のことは申し訳ありませんでした。
これも俺の力不足です。」
刹那の作品が打ち切りになった。
土岐はぷりけつの担当でもある。
そこに蚕が入ってきた。
「あの、ぷりけつ先生って、もしかして、
『新世界の創妹記』のイラストを担当された‥」
「あー、そッスよ。」
「ど、どうしましょう!まさかぷりけつ先生にお会いできるなんて‥!!」
感激する蚕。
『妹すべ』のコミカライズを担当する三国山蚕だと自己紹介する。
だがこの女がコミカライズ担当になるかどうかはわからないと付け足す伊月。
「なんか揉めてるんスか?」
刹那が『妹すべ』一話のネームを見る。
パンティ
はああああ~~~~~!?
刹那は全裸の女の子にパンツは許せない人間だった。
ブラジャーはどうでもいいがパンツを履いてるのは許せない。
そう語る刹那。
「だったら自分が描くッス!!」
ちょうど『SILLIES』が終了する刹那。都合はいい。
「ふむ‥刹那さんが俺のコミカライズを‥
だが刹那さん。お前、マンガ描けるのか?」
「描いたことないッスけど多分できるッス!」
「むむ‥よし‥そういうことならおれも腹をくくろう。」
「‥刹那——いや、
ぷりけつ先生と蚕先生で、もう一度コンペをさせてほしい。
それでもし蚕さんが刹那さんに勝てたら、全裸に下着を描くことを認める。」
「わたくしはかまいません。
いえ、ぜひやらせてください。」
「‥ほんとにいいんスね?
あんたの仕事奪っちゃうッスよ?」
「‥負けません。ぜったいに。」
対面し座る蚕と刹那。
どちらも本気さがうかがえる。
「では二人とも準備はいいか?」
始めようとしたとき、蚕がそれを止める。
「いえ、お待ちを‥」
スッと頭の上につけたリボンを外す。
‥?
シュル
「んな‥!?」
「リ‥リボン‥ではなく、‥パ、パンツ?」
「ええ、パンティーです。」