『血の轍』最新話のネタバレ【49話】不都合な知らせ

押見修造先生の『血の轍』はビッグコミックスペリオール連載中です。

『血の轍』前回（48話）のあらすじは・・・

外に無理矢理出された静一。静子の顔と目が頭の中で見ているから吹石を捨ててきたのだと言い、謝る静一。もう変なことも考えないしやらないから、嫌いにならないでと懇願する。「僕を...捨てないで...!」と。もう吹石も皆も嫌いになるから、どうか許して欲しいと。

その言葉を聞いた静子は吹石にもう近寄らないと聞くと、玄関を開ける。そして指切りげんまんを交わし、彼女の血の付いた中指を舐めてあげる。その頃、病室でしげるは目を覚ました。証人が目覚めた事で彼らはどうなる…！？

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『血の轍』第49話のネタバレ＆最新話！

救済の手

そして玄関の扉は開く。母の手に両手を添えて、涙を流す静一。ようやく救済の手が降りたのだ。

扉の向こう側の静子は無表情であった。しかし、彼に「おいで。」と一言言う。

互いに見つめ合う目。静一が涙を流しながら見上げ、静子が無表情気味で見下ろす。やがて互いの手が伸び合い…

玄関の扉が閉まると同時に二人は抱き合う。静一が静子を見上げると、そこには笑顔の静子が。

静一は目を見開いたまま涙を流し続ける。が、静一も涙を流すのはそのままに、安堵したのか顔がほころんでいる。その彼の頬を静子は指でむにっと突っつく。

先ほどの冷酷な彼女はどこへ行ったのやら、静一の頬を突っついて遊んでいる。「このお～～～。うふふ。」と、まるでいたずらっ子のように。

静子「つんつん。ふふふっ。」その静子の笑顔からは本当に先ほどの冷酷さなど感じられない。

「ふふっ」「へへっ」「うふふふ」二人は満足がいくまで笑い、楽しみ合う。

ジャッジャッ何者かがこの家に向かっている。それはどんどん近くなっていく。

静子「なあに？ うふふふふっ。」

静一「へへ。へへへっ。」

扉を開けし者

ガチャッ

再び玄関の扉は開け放たれる。二人以外の何者かによって。静一が後ろ目で見たその人物は――

一家の大黒柱である一郎、すなわち彼の父親、そして静子の夫だ。玄関で抱き合う二人を見て一瞬固まっている。

一郎「はあはあ、え…？」

理解が及ばない彼。そんな彼も「あ…しっ」と取りあえず言葉を紡ぐ。それを見る静一。

一郎「しげちゃんが…意識…戻ったって…！」

彼は少し顔をほころばせながら言う。

どうやら先ほど連絡があり、しげるは目を見てはっきり反応をしているようだ。

「良かったなあ！」と一郎は実に嬉しそうだ。それを聞いた静一は横眼で静子を見る……

静子は「あっ」とでも言いたげなように口を少し開いて真顔になっていた。と、唇を横に開くと、歯をむき出しにして彼女も笑顔となって一緒にほころぶ。

それを見て静一の顔にも笑顔が戻る。

不都合な知らせ

一家3人の顔が笑顔になる。

一郎「本当に良かった…」

あれから、あの山登りの時から皆おかしくなってしまった、と言う一郎。

だがもう大丈夫だ。明日皆で病院にお見舞いに行こうと言う一郎。

一郎「なあママ？」

と、静一は笑顔のまま固まる。そのまま静子を見てみると――

静子「…うん。行きましょ。ね。静ちゃん。」

静子は笑顔を変えずに言う。それを見た静一も、涙を流しながらだが笑顔で「…うん。」と言う。

それを見た一郎、彼にはこの二人が仲良く団欒とでもしていたように見えていたのだろう。そのまま静一の首元に手を伸ばし、静子の背まで手を伸ばして二人を抱きしめる。

一郎「ハハ…良かった…」

そのまま一郎はハハハ、と笑い続ける。

一郎「ハハハ…」

そのまま二人を抱き寄せたまま一郎は笑い続ける。

むなしく響く笑い声…しげちゃんの『覚醒』は家族をどこへ導く！？

『血の轍』第50話のネタバレ、最新話

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